豚コレラとブタコレラ
吉本興業のニュースに押されてほとんど報道されていませんが、最近日本の豚がピンチです。
2018年9月に岐阜県岐阜市の養豚場で豚コレラ(とんコレラ)に感染した豚が発見されたのを皮切りに、愛知、三重、福井と広がって収束する気配がありません。
なにせ発生したのが日本列島の中心部にある岐阜県です。
隣接する県は富山、石川、福井、滋賀、三重、愛知、長野とじつに7県にわたります。
これ、手、回ってないよな?
豚コレラはコレラではない
冗談はさておき、豚コレラとブタコレラは別の病気だそうです。なんでそんな紛らわしい名前にしたのか。
しかも豚コレラの症状はコレラとは違うんです。
本来のコレラに近い症状を発症するのがブタコレラ(サルモネラ菌)の方だそうです。
むしろ豚コレラが先
豚コレラは明治期に日本に入ってきており、その防疫の歴史は案外古いんです。その頃から豚コレラはトンコレラと読まれており、これはさらに先に豚丹毒(とんたんどく)という病気が知られていたため、なんとなく豚の読み方がトンになったようです。
狂牛病とは
ついでにBSEと呼ばれる牛の病気ですが、日本で話題になったのはもう15年くらい前でしょうか。
脳がスポンジのようになってしまう病気で、症状が進むと運動機能が失われて死に至ります。
本来草食動物である牛に、成長を促すために肉骨粉(牛の粉末)を与えたことが原因だと言われていましたが、正確なところは現代でも判明していないそうです。
ただし、狂牛病に感染した牛を使用したキャットフードを食べていた猫が感染していたことから、経口感染の可能性があるそうです。
そもそも、そんな牛をキャットフードにするのもどうかとは思いますが。
輸入再開
2006年1月、2年ぶりにアメリカ産牛肉の輸入が再開された直後でした。
成田空港に到着した輸入再開後第一便の牛肉から、特定危険部位に指定されている背骨つきの肉が発見されました。
それも41箱中3箱から。
しかもしっかりと検査済みのシールが貼ってあったといいます。
輸入再開直後くらいちゃんと検査すればいいのに。
アメリカがどれだけ日本を舐めているのかがよけわかります。
吉野家の悲劇
狂牛病が原因でアメリカ産牛肉の供給が止まり、もっとも大きな影響があったのが大手牛丼チェーンの吉野屋だったと思います。
当時からメニューの多角化を計り吉野家との差別化を目指す松屋は、すでに豚丼がメニューにあったため、少なからず影響はあったのでしょうけど傍目には軽微に見えました。
ところが、牛丼一本で専門店としての立ち位置を得て、業界No.1に君臨していた吉野家は苦しくなります。
牛丼一時販売停止に踏み切ったときは、食べられなかった客が従業員を殴って逮捕されるなどの騒動が起きた吉野家ですが、ついに牛丼以外のメニューの提供が始まりました。
カレー丼の低いクオリティにも驚きましたが、当時大々的に売り出した焼鳥丼(鶏つくね丼だったかも)。
松屋の豚丼にメラメラと対抗意識を燃やしていたのが見てとれた吉野家渾身のメニューでしたが、発売してから数週間でトリインフルエンザが流行した影響で販売停止に追い込まれたのでした。
トリインフルエンザ
トリインフルエンザとは鳥類インフルエンザウィルスに感染することによって発生する感染症です。
主に渡り鳥の糞を媒介にするため、感染被害の防疫が難しいことで知られます。
鶏肉の生食はNG行為
トリインフルエンザは基本的に人に感染しませんが、前例が少ないだけで可能性はゼロでありません。
実際、厚生労働省も鳥類は加熱調理を推奨しています。
よく居酒屋や地鶏料理の店で、表面を炙っただけのたたきや半生のレバーなどが提供されています。
私自身、飲食店での勤務経験が長かったのですが、仕入れの肉屋さんは絶対やめてくれと念を押してきます。
それでも怪しい店は当店の鶏肉は新鮮だから生でも大丈夫です。と提供してきますが、何が大丈夫なんかわからん。
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